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OPINION

SNS利用のメリット・デメリット

一家団欒という言葉があるが、リビングに家族が集ってくつろいでいても、一昔前と今とでは様相が随分異なっているようだ。
 筆者の家庭を例にとると、同じ時間に夕食をとっていたとしても、それぞれ好みのメニューが違うので、全く別々のものを食べていることが多い。食後にいたっては、同じ空間にいながらも、テレビ(地上波ではなくインターネット)を観たり、ゲームをしたり、スマートフォンで動画を観たりと、みんなバラバラで、互いに「音がうるさい」と、大声で言い合う始末だ。良し悪しは別にして、こうしたことは筆者の家庭だけではあるまい。
 総務省が5月29日に発表した「令和7年通信利用動向調査」によると、2025年のスマートフォンを保有する世帯の割合は91.8%と年々上昇傾向にある。一方、テレビの保有割合は90.1%。20年から減少が続き、ついにスマートフォンを下回った。
 インターネットの利用目的・用途を見ると「SNS(無料通話機能を含む)の利用」が最多で82.3%。6〜12歳は「動画投稿・共有サイトの利用」割合が最も高く、13〜49歳ではSNSの利用割合が高い。
 SNSはコミュニケーションツールの1つとして、近年急速に普及した。数年前は仕事の業務報告でLINEを使用するなどということは考えられなかったが、今や当たり前のように利用されている。また、企業側でも積極的に取り入れ、自社商品・サービスの販促ツールとしても大いに活用されており、本誌5月号で特集した「冷食メーカー26年度上期広告・キャンペーン」をみても、消費者キャンペーンのほぼ全てが、SNSを利用した内容となっている。

SNSはあくまで手段の1つ

顧客接点が増え、商品・サービスの認知拡大に寄与するSNSだが、デメリットもある。
 個人で投稿などをする場合、不特定多数が閲覧するため、トラブルに巻き込まれる可能性がある。実際に詐欺や傷害事件、誹謗中傷などの事例が発生している。生成AIの普及でリアルな動画や音声を誰でも簡単に作成することができるようになり、フェイクニュースに騙されないとも言えない。
 仕事上で利用する場合においても、前述の業務報告のグループトークで退職願を出すといった事例が一時話題となった。ただし、現状ではビジネスマナーとして非常識とされているが、これはそのうち常識になるかもしれない。一国の大統領がXで方針を発表するなど、これまでは考えられなかったようなことが当たり前に受け入れられる時代となっているからだ。
 また、簡単・便利に他人とつながることができる=コミュニケーションが密になるということにはならないのではないか。SNSはあくまで電子化された文章でのやり取りであり、心が通った会話ではない。“飲みニケーション”が良いとまでは言わないが、なんでも簡単に済ませてしまうことで、人と人とのつながりが希薄になってしまうことを筆者は懸念する。
 SNSはあくまで手段の1つと割り切って、サポート的に使った方がコミュニケーションが上手くいくのではないか。

(吹上)