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OPINION

季節感が冷凍食品売場を盛り上げる

この原稿を執筆している7月上旬時点で、東京はここ数年とは比較にならないほど過ごしやすい気候が続いている。雨は多いものの、気温がさほど上がっていない。しかし、「今年の夏の気温は平年より高くなる見込み」との予報を目にすることも多く、本誌が発行される頃には、うんざりするような暑さになっているのかもしれない。
 今春はめんカテゴリーを中心に、年々暑く、長くなる夏に対応した冷凍食品の新製品が複数見られた。ニチレイフーズは新シリーズ『レンジで冷たい』を立ち上げ、「盛岡風冷麺」など3品を投入。日清食品冷凍は“夏のつゆだく麺”をコンセプトに夏向け商品3品を発売した。テーブルマークは“夏場の冷凍めんの需要喚起”をテーマに「CoCo壱番屋監修 汁なしカレーうどん 大盛り」などを投入したほか、キッコーマンとコラボし、キッコーマン食品の夏季限定商品「具麺 柚子鬼おろし」を玉うどんに添付する販促策を展開した。
 冷凍食品業界は例年、春と秋に新製品を発売するが、今年は夏の需要を喚起する期中発売品も目立つ。日清食品冷凍は6月1日、電子レンジで温めた後に氷を加えて混ぜるだけで完成する『キンキン氷でカンタン調理』シリーズを立ち上げ、「日清中華 冷し専用 白担々麺」など2品を数量限定で発売。Umiosは7月1日、暑い夏でもさっぱり食べられる「新中華街 酸辣焼そば」を投入した。日清製粉ウェルナは7月1日、「マ・マー もちもち生パスタ 辛旨アラビアータ」を発売。濃厚な辛旨ソースとトッピングのフライドズッキーニで、夏野菜のおいしさも楽しめる。
 いずれも夏に最適な味の面だけでなく、湯を沸かすといった暑さを伴う手間のいらない電子レンジ調理。厳しい暑さを「新たな市場創出のチャンス」と捉える積極的な姿勢がうかがえる。

気候変動はチャンス

7月1〜2日に神戸で開催された旭食品の展示会「フーデム2026」では、初の試みとしてセミナー会場を設置し、流通気象コンサルタントの常盤勝美氏による「26年秋冬 気象と消費トレンド予測」と題した講演が行われた。今年は夏が暑いだけでなく、暖冬も予想されている。常盤氏によると冬物メニューは早期展開・短期決戦が重要で、特に息の長い冷凍食品(おかず、米飯、スナック等)は、早めに家庭にストックしておくことが推奨されるという。
 また、気候変動が新たなステージに入ったことは、生活スタイルや食文化も新たなステージに入るということであり、新たな食のスタイルを提案し、定着させるチャンスでもあるという。
 これまでの冷凍食品売場は、冬場のグラタンなど一部で季節や催事を彩るカテゴリーはあったが、ほかの加工食品に比べて季節感の演出が難しく、変化に乏しかった。しかし、夏や冬の需要を見込んだ商品が増えることで売場に季節感が感じられるようになり、華やかさも増す。短期集中型の商品は在庫コントロールが難しい面もあるが、冷凍食品売場を活性化する効果は大きい。
 冷凍食品の需要が一定程度高まった今だからこそ、さらに次のステージに進むべく季節感の演出で売場に楽しさを加え、より多くの消費者を呼び込むことを期待したい。

(吉田)